№609 “黒を打った”か?「黄金宝」、、。。

「黄金宝」を最初に手掛けたのは、まだ無名だった2010年のことで、その後もしばらくは「朶々香縞」と揮毫のラベルを挿していました。
かれこれ10年の付き合いになります。
10年も栽培していれば性質や癖もいろいろ解ってくるものですが、それでも、時として意外な様子を見せてくれ、作り手を驚かせます。

濃緑と極黄のコントラストが効いた中透けあるいは中押し縞のダイナミックな葉芸を見せる「黄金宝」ですが、今年は、新葉を展開しているのに斑の見えない無地かと思える新芽があります。
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柄物の斑が抜けて無地葉になることを“黒を打つ”と表現し、そんな青っ葉になってしまう葉芽は逸早く掻き取って上柄の新芽を出し直すものであり、それを通常はハカマを見て判断するものですが、蘭によっては通用しません。

現時点、わが家で新木の出来が良いのは朶々香と紫芽の春蘭です。
きっと天候の所為だと思います。
出来の良し悪しは、作上がりしているか否かであり、作上がりはその株の将来に直結するので、栽培における最重要ポイントだと思います。

この「黄金宝」の新芽は1つだけですが、ここまで葉を展開しても一向に斑柄が現われず、無地葉のように見えます。
つまり、これこそが作上がりする「黄金宝」の新芽の姿です。
5枚目の葉が伸長しているところですが、出来上がった秋の姿が今から楽しみです。
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蘭のハカマは花に通じるものであり、ハカマの様子から花容を予測することができます。
例に漏れず、赤紫の色と緑の覆輪のハカマから想像できる、同様の花が咲きます。
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展開し始めた本葉には柄がまだ見えないとはいえ、稚葉には柄があり、決して黒を打ったのではないことが確認できます。
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「黄金宝」は柄物として高く評価されていますが、綺麗な赤花を咲かせる朶々香でもあり、唯一無二の芸を見せる極めて稀な複芸品種です。

5年ほど前に雲南省を訪れた際、現地の蘭仲間らと酒を酌み交わす機会がありました。
同好の士とは不思議なもので、例え言葉が通じなくても、初対面でも、肩書や年齢も関係なく、瞬時に意気投合することができます。
都合が良い時代になったもので、互いのスマホに保存している自分たちの蘭画像を見せ合っては、誇るともなく自慢し合ったものですが、そんな中で、特に彼らが強く興味を示したのが、この「黄金宝」でした。
そして、
「いくらでも出すから持ってきてくれ」
と懇願されたものでした。
もちろん、誤魔化し笑いでやり過ごしたものですが、それも楽しい思い出の一コマになっています。

次は、別株の「黄金宝」で、新芽は2本上がっています。
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葉数が少ないことも多い品種ですが、1番子は7枚の葉を振っています。
3枚目までの葉には松葉が散り、日本春蘭の「秩父錦」のような柄を見せています。
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1番子の反対側から出た2番子は、本葉4枚にまだ柄が現われておらず、旺盛に育つ作上がり芽です。
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今日、存在さえも忘れかけていた蝉の声を久々に聞きました。

久しぶりに聞くミンミンゼミでした。

昼となく夜となくのべつ幕無しにシトシトとそぼ降る雨の毎日ですが、それでも、梅雨明けは近いようです。

陽射しの無かった梅雨が明けて気温が上がれば、蘭たちは一気に生育を加速することでしょう。








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この記事へのコメント

2020年07月29日 21:20
こんばんは。ご無沙汰しております。
素晴らしい「黄金宝」で、7作目の私は恥ずかしくて3号ぐらいの蘭鉢に隠れたくなります。我が家の「黄金宝」はしっかり作落ち・派手柄を繰り返し、ようやく昨年少し地味な柄の4枚葉、今年、奴に出ましたが、まだ5センチぐらいでそのまま育ってくれるのかどうかも分かりません。
風来記にも最近人気があるように書かれていて半信半疑だったのですが、本場で目を引くようならホンモノですね。
まだまだシトシトと長梅雨ですが、梅雨明けの強陽で葉焼けしないように気を付けないといけません。
彩雲
2020年07月29日 22:32
鐘 さま
こんばんは、お久しぶりです😃🌃

これらはほめられるようなものではなく、仕立て中の苗です。
なかなか思い通りの柄行には育てられませんが、育った秋の姿が楽しみなのです。
そして、来春は花も咲くでしょうが、展示会の開催も目処が立ちません。

コロナ自粛の中、蘭たちが心の支えになってくれています。

コメントありがとうございました。