№543  信州 池の平の渋~い野生ラン、、。

今日の昼過ぎ、リビングに新しいエアコンが設備できました。
古いエアコンが壊れて3日半、酷暑の中、無事に乗り切ることができました。
そろそろ替え時かなと思っていた矢先、室外機の基盤がダメになったのですが、これで当分は快適で安心です。


さて、今回は、先日の信州は高峰高原から池の平湿原にかけてのハイキングで見かけた地味~な野生ランを紹介します。
蘭マニアの彩雲、地味でも野生ランとなると興味津々です。

ハイキングでは色鮮やかに目立つ花を見ると心躍りますが、否応なしに目に飛び込んでくる花ではなくて見落とされがちな地味で渋~い花を見るのも一興です。


紹介する野生ランは、エゾスズランとオオヤマサギソウとホソバノキソチドリの3種+αです。

これらはいずれも色味的に地味で目立たない野生ランです。
故に、環境破壊が進まない限りは安泰な将来が約束されているでしょう。
だといいのですが。
案外自生量も多く、花時期なら誰でも容易に見付けられます。
なお、栽培はどれも困難なようですから手出し無用。



⑴ エゾスズラン(別名アオスズラン)。

カキラン属のエゾスズラン(蝦夷鈴蘭)は、今回のハイキングで広範囲に自生している20個体ほどを観察できました。

北海道から九州までの日本全国に分布するのに蝦夷の名前が付いたエゾスズラン。別名のアオスズランの方がよほど相応しい名前なのに。ヤマアジサイの北方多雪地帯変種とされるエゾアジサイもしかり。

外見的にはまさにカキランの花を葉色と同化させた感じ。
ボリュウムはあるが、色合いが一般的には見向きされない地味な野生ランの代表格と言えそうです。


高峰高原のビジターセンターからほど近い針葉樹林下で、先導案内してくれた草友が見付けて教えてくれました。
登山道脇の笹薮の中で花を咲かせていましたが、まるっきり目立たないので普通は見落とします。
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実は、エゾスズランを見るのはこの時が初めて、この個体が初見でした。
初めての出逢いというのは、それが何であれ、実に感慨深いものです。
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これ以上ないほどに地味な花でした。
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その後に歩いた池の平の林床、特に笹薮の中に多くのエゾスズランを見ました。
遊歩道脇の笹薮の中には、草丈1m程で30個近い花を着けた大型の個体もありました。
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それにしても、着色を忘れたかのような地味な花です。
葉や花の形は似ているものの、派手な橙色のカキランの花を甘柿とすれば、エゾスズランの花はさしずめ渋柿でしょう。
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これでは昆虫も気が付かないのではと思いましたが、そんな花にクロスズメバチが来ていました。
クロスズメバチはスズメバチの中でも最も小型でおとなしい種類の蜂です。
野生ランの花粉媒介昆虫はマルハナバチが知られていますが、このクロスズメバチは・・。
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また、尾根筋では、立木の枝下や土手の草叢にも自生がみられました。
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適度な通風と木漏れ陽が差す草叢は野生ランにとっては好適地らしく、複数種類の野生ランが同居していました。
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白い小花を咲かせているのはオオヤマサギソウ、その右隣に生えているのがエゾスズランです。
まだ蕾のエゾスズランですが、咲いても地味過ぎて見落とすに違いありません。
だって、オオヤマサギソウの隣にエゾスズランがあることは、写真撮影を始めても、すぐに気付かないほどだったのですから。
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やっぱり、アオスズランの名前が似合いそうな花の野生ランです。
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⑵ オオヤマサギソウ

ツレサギソウ属のオオヤマサギソウ(大山鷺草)は、池の平の尾根筋の見晴歩道を歩いて、林縁や林床の比較的暗い草地や草叢で数か所、10個体ほどと対面しました。
草丈40㎝ほどの茎頂に穂状花序に多数着ける白い小花は、クリオネに例えられる花型です。
細長く垂れ下がる唇弁はやや後方に反り返る。細長い距は後方へ突き出すように伸びる。
そんなオオヤマサギソウの特徴も、頃合いの開花時期であればこそだが、一輪の花は小さく見分けに難渋。
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日陰で草叢に紛れているので見付けるのも簡単ではないが、知識不足で品種同定も困難。
加えて、暗がりでコンデジでの手持ち撮影では後ピン、手振れと、三脚の必要性を痛感。
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草叢の中で、株元の葉2枚は大きく、長細い楕円形で表面に光沢があるとされる特徴を備えていた。
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⑶ ホソバノキソチドリ

ツレサギソウ属のホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥)は、陽当たりの良い草地、遊歩道脇や木道脇などの至る所でたくさん見られました。
草丈20~30㎝前後のものが多く、群生するとかではなくて、ほぼ1本づつ、ポツンポツンと生えていました。
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花色は緑がかった黄色。
やはり穂状花序で、輪数は10から20でした。。
花弁は後ろに反り返り、距は前方に湾曲しつつ下方に伸びるなどの特徴がみられました。
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株元に付いている葉は厚手の笹の葉型で1枚。
ホソバノキソチドリの葉は細葉と呼ぶほどの細さではないから、キソチドリの葉はかなりの幅広ということになるが・・。
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⑷ ヒトツバキソチドリ??

実は、これがヒトツバキソチドリなのかどうか、まるで自信がありません。
ツレサギソウ属の野生ランには違いないと思ったのですが。
尾根の林縁の草叢、近い2か所に生えていました。

1か所目の1本。
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花は極小のうえ、開花時期が過ぎた状態であり、唇弁や距の特徴が見極められない。
花数を数えたら50輪以上でした。
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葉は1枚だけ、丸く、株元で花茎を巻いている。
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2か所目の2本。
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開花時期を過ぎ、半数の子房は結実し膨らんでいた。
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⑸ キソチドリ??

キソチドリ(木曽千鳥)についての知識もあやふやなので、これが果たしてキソチドリなのかどうか不明です。
ツレサギソウ属には違いありません。

尾根の針葉樹の林床、草叢に3本が疎生していました。
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次の個体は、別の場所に自生していたものです。
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野生ランは、そもそも地域変種があって当たり前的な植物であり、同種であっても個体差が著しいものです。
元々信頼することができないインターネットの情報を頼りに品種を見極めようなどと思ったのは大きな誤りでした。





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この記事へのコメント

2019年08月18日 14:40
こんにちは。

エアコン新しくなって安心ですね。

アオスズランは周りの草の色と同化しているので目立たないですね。
スズランという花も小さくて目立たない可愛い花ですから、目立たないところが似ていますね。

インターネットの情報とは役に立つようで役に立たない。
確かに色々な情報においてそう言えますね。

彩雲
2019年08月18日 19:26
Angela さま

こんばんは。

エアコンは老人の命を守るためのものかもしれません。

目立ちたくない人間もいるようにアオスズランもあまり目立ちたくないのかなって、不思議な親近感をおぼえました。

得られる情報のほとんどは恣意的に歪曲されていることが多く、鵜呑みにはできませんね。
ろこ
2019年08月22日 00:21
 ナイス 
気持ち玉代わりです
コメ返はお気になさらないでくださいね。
2019年08月22日 16:41
こんにちは!
地味な野生ラン、初めて見る花ばかり、でも味わいがありますね。
エアコン新しくなって良いですね。我が家もこの夏新しくしました。もう古かったので仕方がありません。
彩雲
2019年08月22日 19:15
ろこ さま

お心遣いありがとうございます🎶
彩雲
2019年08月22日 19:24
eko さま

この手の野生ランは見付けるのも見分けるのも難しく、現地の保護指導員の方からもっと教えてもらうべきだったと後悔しました。
中部地方には珍しい植物がたくさんあるようですね。

わが家のエアコンは壊れるまで買い替えることができず、反省しきりでした。
困った性分です。