№439 残雪の渓で岩魚釣りを堪能、、。
4月14日の土曜日、釣友の車に乗せてもらって岩魚釣り。
車高の高い四駆でなくては登れない悪路で標高を稼ぎ、更に1時間近く喘ぎ喘ぎしながら歩き着いたそこは獣と岩魚が棲む別天地。
いまだ覚めやらずの冬の佇まいでした。
昨年は1週間遅かったのに一面の銀世界でしたが、今年は残雪が少なく、茶色い枯れ落ち葉の景観。
雪解けをかいくぐった幾種かの越年緑葉だけがポツリ、ポツリ。
山菜類が豊富な渓だが、シーズンはまだ。
今年の陽気は暖かとはいえ、渓底に消え残る雪渓をかすめながら岩を噛み白泡を立てて流れ下る清冽な渓流は、まるで氷水のようだ。
呼吸を整えて渓筋に立ち、寒さでかじかんだ手指に息を吹きかけて仕掛けを結んだ竿を伸ばし、落ち込みにそっと餌を送り込んでやれば、直ぐに竿先にブルと感触が伝わってくる。
呑みこまれたら外すのが厄介だ、口先に針掛かりさせるため、送り込むようなことはしない。
ひとしきりのやり取りのあとで釣り上げた岩魚は、6寸ほど。
小型のうえ急流域の岩魚なのでスマート。
朱点が美しい地色が緑のニッコウイワナだ。
最初に釣れた魚はどうしても、まじまじと見てしまう。
手が切れそうに冷たい流れだというのに、もうサビは取れて元気一杯。
こんな激流に潜む岩魚の尾びれはこんなにも大きく逞しい。
釣り人が容易に立ち入ることを許さないような奥に入れば雑作も無く釣れる岩魚なので、”猿でも釣れる”などと揶揄されるが、それでも流れに立ち入ったり姿を見せたり地音を響かせたり気配を悟られたりしたらさすがに警戒される。
ひとたび警戒して岩の陰に走り込んだりしたら当分は釣れないから、寒くても木化け、石化けに徹するのだ。
芽吹き前で覆いかぶさる枝も少ないので仕掛けが絡むようなこともなく、集中は途切れずに濃密な釣りの時間。
岩魚釣りの醍醐味は人それぞれかもしれませんが、自分は、ここぞと狙ったピンポイントで、思い通りに針に掛けることに尽きます。
落差のある渓流なので竿を出す場所にも事欠かず、7寸サイズが次々と釣れ上がる。
とはいえ、暫く縁のない大物にはやはり憧れます。
釣れるごとに写していた岩魚の姿でしたが、さすがに面倒になり、釣り上げた岩魚が雪渓の上で撥ねる姿を画像に収めたのを最後にカメラも仕舞い込んで、以降、釣りに専念。
健脚の相棒は、どうやら雪渓を踏みしめて魚止めまで足を延したらしく、満足顔で下ってきた。
丁度11時になろうかという時間。
獣道を辿り高巻いたりしながら下って車に戻り、駐車場の傍らに聳えるソメイヨシノが5~6分咲といったところの馴染みの『花咲の湯』に浸かり、蕎麦に舌鼓を打ってから、時々寄り道をしながら語らいつつ帰宅しました。
この記事へのコメント
淵の写真の数だけでも、釣れたとすれば、ツ抜けどころではない素晴らしい釣行でしたね🎵
私も、山菜が出る頃に、竿を出したくなりました❗
今年は雪解けが早いですよ。
この日の先行者はいませんでしたが、痕跡はありました。
イワナは川のウジムシと蔑称されるほど繁殖力が強く、数が減れば大型に育ちます。
山菜も出始める良い季節♪になりますから、出掛けましょう!